元カレ弁護士の恋事情


 就業後。
 ようやく一人になり解放された気がして、外に出た途端目一杯伸びをする。
 夕方の涼しくなった風を感じながら帰ろうとすると、後ろからポンと肩を叩かれた。
 振り返ると、久我さんだった。
 
「お疲れさま」
「えっ……? あっ、お疲れさま、です……」

「お疲れさま」なんて彼に対して言い慣れてなくて、なんだか調子が狂ってしまう。
 
「再会記念に飲みに行かないか?」

 唐突な提案に、きょとんとしてしまう。
 
「それは、仕事ですか? プライベートですか?」

 念のため訊ねると、久我さんは少しだけ考えてから言った。
 
「……どう取ってもらっても」
 
 クスリと笑う彼を見て、胸が少しだけ騒がしくなった。