目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です

役員会議室の重厚な扉が開くと、中から出てきた営業本部長の顔は蒼白だった。

​「……本日をもって、株式会社麻生商事との業務提携は解約とする。異論のある者は、今週中に代替の収益プランを私のデスクに出すように」

​鷹司の低く静かな声が、会議室に残る役員たちに冷ややかに響く。

​相手は創業当時からの古い付き合いがある協力会社だった。

長年現場を共にしてきた本部長が「先方の社長との義理もあります、もう少し猶予を……」と必死に抗弁しようとした。

が、鷹司は1度も表情を変えなかった。

​「本件につきましては、過去5年間のデータと今後のリスク試算をまとめた上で、すでに先週の経営会議にて会長ならびに社長の承認を得ております。取締役会としての正式決定です」

鷹司が静かに提示したのは、寸分の狂いもないコストパフォーマンスの比較表と、トップ層を完璧に納得させた報告書の控えだった。
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