「兄ちゃんにも聞こえんかったん?」

不意にまた戻った話題に癖で頷いてから急いで口に出す。

「…聞こえんかったで。」

「………今、頷いたんやろ?」

少しからかうような陽の口調に俺は目を見開く。

「分かった?」

「なんとなぁく。」

間延びした声に
俺は再度聞いてみる。

「どんな声なん?」

すると陽は
ケラケラと笑った。