そう言って楽しそうにまた笑う。今度は無邪気な子供の笑顔。
「犬みたいに鳴くん?蛍が?」
半信半疑で尋ねた俺に、陽は小さく首を振った。
「ちゃうよ。泣くん、悲しいー、寂しいーって。」
当たり前のように答えられた言葉に余計俺は混乱する。
泣く?
羽の音とかやなく?
陽の真似をして
瞳を閉じ
耳に手を当ててみた。
それでも聞こえたんは、小さな川のせせらぎの音。
カサカサという草が揺れる音。
通り過ぎる風の音だけやった。
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