「ごめんなぁ、あんまりに綺麗やから見とれてもたわ…えぇなー、陽はこんなとこに住めて。」

「……。」

焦ったように話す俺に10歳の陽は困った表情で笑う。

「あ…」

その表情に思わず小さく声を上げると俺はまた黙り込んだ。

…忘れとった。

陽は眼が生まれつき見えない。
俺の話をいくら聞いても情景が浮かびもしなければ想像も出来ないはず…

「陽、ごめ…「なぁ!」

急いで謝ろうとした俺に、明るい陽の声が重なる。