今日もまた、俺は河のほとりに立っている。

昔にここで、蛍の声を聞こうと頑張ってたんやっけ?

蛍の声…泣き声やったかな。
今思うと笑ってまう。

おじいちゃんの、あんな冗談信じてたやなんて…

純粋やったんやろなぁ…俺。
あの時、優しく笑って一緒に蛍の泣き声を探してくれた兄ちゃんの声を思い出そうとしたけど、

…なかなか思い出せんくて諦めた。

あれ以来会ってへん、多分。

見えへんから確信はないねんけど…

あの時に言われた言葉は、確実に"僕"を変えた。


…耳に手を当てると、サラサラ流れる水の音。

今日も、聞こえる。