やっと口を開いた陽に俺は自信満々に答える。 「ほんまやで。陽は兄ちゃんを信じてくれへんの?」 「信じるで。ほんまに、ほんまやんな?」 「ほんまにほんま。」 くだらないくらいのやり取りに、それでも嬉しそうに笑う陽を見るとなんでも良いような気分になった。 聞こえるやろ? 陽にも、この音が。 これが蛍の泣き声やねんで。 ほんまにほんま。 やからお前の心は綺麗やねん。俺よりずっと前から、この音を聞いて来たんやもんな?