陽は、 俺の胸元に当てていた手を自分の胸元へと移して呟いた。 「なぁ、陽。聞こえてるんちゃう?ほんまは…」 「え?」 いきなりの俺の言葉とその内容に陽は不思議そうな表情で俺の方向を見上げた。 見えていないはずの …瞳。 それなのにいつも、陽の見る方向にはちゃんと俺がいて、眼が合う気さえする。 「川が流れてる音も 草が揺れる音も 風の音も 全部合わさって、心に流れて来おへん?」