蛍の泣き声


その答えはすぐに返って来た。

「兄ちゃんな、めっちゃ感動してたやろ?この場所に。」

可笑しそうに笑う陽を見て少し安心すると、俺も笑い返す。

「あー、確かに。めちゃくちゃ感動したで?ほんま綺麗やわ、ここ…」

辺りを眺めて肯定すると陽は、

だから、やで?

と言って俺の胸元に手を当てた。

「心が、綺麗じゃないと聞こえへんのかなって思ってん…

兄ちゃんなら…

こんなに感動してる兄ちゃんなら、聞こえるかもしれへんやん?」