蛍の泣き声


「蛍は命短いから、光りながら相手を探しながら泣いてるんやって。」

まだ黙ったままの俺の手を握る陽からは温もりが伝わる。

「…陽は眼が見えん分、心に泣き声が届くで…って」

そこまで言うと、陽はため息を吐いた。

「聞こえんかってん。」

静かな夜に

静かな声が響く。

大体の理由は分かった、
やけど…なんで俺に泣き声が聞こえる?
なんて聞いたのか。