微かに聞こえるか
聞こえないかの声量で

呟いた陽の声は、
寂しそうに聞こえた。

「…聞きたかったん?」

戸惑いながらも頭を撫でながら問いかけると、

陽は自分の眼を指差した。

「聞こえたら、見えへんくても…蛍を感じられるやん?」

「…。」

「ちょっと前にな?じぃちゃんが言っててん。」

黙ってしまった俺に、陽は話し出す。