季節が変わっていくにつれて、私たちの会話も増えていった
好きな食べ物
苦手な教科
先生の愚痴
くだらない話
「沙羅って将来何になりたいの?」
「まだ分かんない」
「凪は?」
「俺も」
「じゃあ、一緒だね」
「そうだね」
そんな会話をしているだけなのに、時間が早く過ぎた
ある夜、私はベンチに座りながら言った
「ねえ、凪」
「ん?」
「私ね、昔、好きな人がいた」
凪は何も言わなかった
ただ、続きを待ってくれた
「中学生のとき」
「うん」
「すごく優しい人だった」
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