星降る夜に







「沙羅、俺、来月から引っ越すんだ」


放課後の教室で、透はいつものように笑っていた


窓の外は、春の終わりの薄い夕焼けだった


教室にはもうほとんど人がいなくて、遠くから運動部の声だけが聞こえている。


「……そっか」


私は机に頬杖をつきながら、できるだけ普通の顔をした


透は昔から優しい人だった


困っている人がいれば自然に手を差し出して、誰かが一人になっていれば、何も言わずに隣に座る


私が好きになったのも、たぶん、そういうところだった


「寂しくなるな」


透が笑う


私は笑い返した