私の運命の人

次の日も、その次の日もいっくんは車で私を学校まで送迎してくれ、無事に週末を迎えた。
いっくんの部屋で、私は両手を広げて歩いてみせる。

「もうサポーターなしでも平気になったよ。ほら!」
「そう、よかった。それならもうアパートに帰る?」

そう言われて私はふくれっ面になった。

「ここにいたら、だめ?」

そっと上目遣いで尋ねると、いっくんはドギマギしたように視線を逸らす。

「だめ、ではないけど……」
「じゃあここにいる。荷物、もう少し持って来たいな」

するといっくんが真剣な表情で「ゆりちゃん」と呼んだ。

「なあに?」
「なし崩し的なことはやめよう。僕たちはあの頃のような子どもじゃない、もう大人なんだ。二人の関係をきちんとしたい。僕はゆりちゃんにとって、子どもの頃によく遊んだお兄ちゃんという認識かもしれないけど、僕は」
「運命の人」

突然私がそう告げると、いっくんは目をしばたたかせた。

「え?」
「いっくんは私にとって、運命の人です」
「……ゆりちゃん」
「やっと見つけたの、ずっと探していた人を。いっくんが私の運命の人だってわかったの。だからこの先もずっとにいたい。それだとだめなの?」

いっくんは目を潤ませて私をそっと抱きしめる。

「だめじゃない、僕にとっての運命の人も君だから。誰よりも大切にしたい。ずっとずっとそばにいて、もう二度と離さない」
「うん」

涙声で頷くと、いっくんは少し身体を起こして優しく私を見つめた。

「きれいになったね、ゆりちゃん。心清らかなまま、とても美しい女性になった。五歳の頃の君は、あどけなくて可愛くて無邪気で、ただ守ってあげたくなった。今の君は眩しいくらいにすてきな人で、僕の心を揺さぶって離さない。どうしようもなく焦がれてしまう。君が誰よりも愛おしいよ……優里」

私の目に涙が溢れ、幸せで胸が痛む。

「私もあなたが大好きです。離れていた間もずっと私の心の中にいて、私を支えてくれました。やっとまためぐり会えて、本当に嬉しくて。もう二度と離れるなんてできません。だってあなたは、私の運命の人だから」
「ああ、ずっと一緒にいよう。どんなことがあっても、もしまた離れ離れになっても、僕たちは必ずめぐり会う。それが二人の運命なんだ」
「はい」

会えなかった時間を飛び越えて、私たちの時計がまた動き始めた。
これからは一緒に……
いつまでも一緒に……