私の運命の人

翌日の卒業式。
私は朝から来賓受付や控え室への案内、お茶出しなどで忙しくしていた。

「優里、時間通りに進んでるから、そろそろ体育館に誘導お願い」
「はい、了解です」

パタパタと走り回っている広香に返事をして、来賓の方々を体育館に案内した。
そのあとは昇降口へと戻り、卒業生が揃って列を作っているのを確認する。

「準備OKです!」
「わかった。体育館のドア、閉めます。一組から順に卒業生をドアの前で待機させて」
「了解。遅刻の保護者はサイドのドアからそっと入ってもらってください」

そんなやり取りをしながら、私は袴姿の一組の担任の先生に声をかけた。

「入口の前までお願いします」
「はーい、みんな動くよ」

ぞろぞろと一組の先輩たちが前へと列を詰める。

「優里、お疲れ」

最後に友和先輩が私の前を通り過ぎざま、ポンと頭に手をやった。

(これも今日で最後か)

先輩がよく私にしてくれたこの仕草。
そのたびに心が温かくなり、胸がキュッと締めつけられた。
そしていつしか、先輩のことを好きになっていた。