放課後の特別授業は溺愛です、先輩。

似合わない⋯⋯どうしても、どーーーうしても似合わない⋯⋯。

何が似合わないのかというと、この見た目が完全なる陽キャが、文芸部の古い部室にいるってことが。

見た目が完全なる陽キャって言ったけど、前言撤回。

こやつは中身も陽キャだ。眩しい。



「せんぱーい、いい加減名前教えてくださいよー」



後輩って、もっと先輩に懐くものじゃないの!?

まさか、少女漫画で育てられた私の偶像⋯⋯?



「名乗るなら自分からってどこかで習わなかった?」

「そのどこかが重要でしょ。
⋯⋯あ、先輩はまだ習ってなかった? ごめんね、わかんないよねー」

「ぐぅっ⋯⋯!」



このような話を繰り返して、はや三十分。

今日はあの入部届を森センに渡してくれた救世主と会うんだから、頑張るぞ!

と張り切っていた三十分前の私は、もうどこかへ旅立ったようです。

ちなみに、後輩だとわかったのは上履きの色が二年生の色だったから。