最強男子の過保護な溺愛が止まりません!

「もう隠さない」

「……ほんとに?」

「ああ」

「ちゃんと話してくれますか」

「話す」

「また危ないからってごまかしたり」

「しない」

 私は涙をぬぐいながら、じっと先輩を見る。
 その目はまっすぐで、逃げる気配がなかった。

「……約束ですよ」

「約束する」

 ようやく少しだけ、胸のつかえがほどける。

 そのとき。

「……僕、いる必要ある?」

 九条先輩の静かな声がして、私は一気に現実に引き戻された。

「……っ!!」

 忘れてた。
 完全に忘れてた。
 この部屋、ふたりきりじゃなかった!

 あわてて氷河ノ先輩の胸から離れようとすると、なぜか先輩の腕がまだ少し離してくれない。

「先輩っ」

「もう少し」

「もう少しじゃないです!」

 顔が熱い。
 絶対真っ赤だ。

 九条先輩は少しだけ呆れたように笑った。

「氷河くん、そういうところほんと独占欲強いよね」

「うるさい」

「でもよかった」

 九条先輩の声が、ふっとやわらぐ。

「やっと本音を言った」

 氷河ノ先輩の眉がぴくっと動く。

「……何が言いたい」

「別に」

 瑞希先輩は窓のほうを見ながら、静かに続けた。

「ただ、時間がないってこと」

 その一言で、空気がまた変わる。

「外の気配が消えた」

 さっきと同じ言葉。
 でも今度はもっと重い。

「玲央か、それとも別の誰かか」

「たぶん、両方だ」

 九条先輩がこちらを見る。

「相沢さん。君のお母さんのことを知るなら、次は学園の旧温室を調べるべきだ」

「旧温室?」

「昔のローズがよく使っていた場所」

 私は写真を見つめる。
 母がいた場所。
 何かが始まって、壊れた場所。

「そこに、まだ残ってるものがある」

「どうしてわかるんですか」

「僕が隠したから」

 静かな告白だった。

「……え?」

「証拠になるものを、昔ひとつだけ」

 その言葉に、私も氷河ノ先輩も息をのむ。

「九条、お前」

「回収するなら今しかない」

 九条先輩はまっすぐ私を見た。

「ただし、向こうも同じことを考える」

 つまり。
 次は、完全にぶつかる。