最強男子の過保護な溺愛が止まりません!

全員の視線が私に集まる。

 少し怖い。
 でもここで逃げたくなかった。

「……行きます」

「胡桃」

 氷河ノ先輩の声が、すぐに低く落ちる。

「まだ最後まで聞いて」

「でも、知りたいです」

 私は先輩を見上げた。

「ずっと守ってもらってばっかりじゃ、だめだから」

「それとこれとは別だ」

「別じゃないです」

 自分でも驚くくらい、はっきり声が出た。

「私が知らないままだと、また同じことになる」

 昨日みたいに狙われて。
 みんなを巻き込んで。
 何もできないまま守られるだけなんて、もう嫌だった。

「……私、自分のことを知りたい」

 その言葉に、氷河ノ先輩が黙る。

 しばらくの沈黙のあと、九条先輩が静かに口を開いた。

「放課後、図書準備室」

「一人で来て」

「一人はだめです!」

 今度は私が先に言った。

 九条先輩が少しだけ意外そうな顔をする。

「そこは譲れません」

「……へえ」

「怖いのは怖いです。でも、完全に一人は無理です」

 すると瑞希先輩は、ほんの少しだけやわらかく笑った。

「賢くなったね」

「誰のせいだと思ってるんですか」

 思わずむっとして返すと、九条先輩はくすっと笑う。