最強男子の過保護な溺愛が止まりません!

「胡桃先輩」

 いおりくんがやわらかく呼ぶ。

「怖がらせたいわけじゃないです。でも、しばらく単独行動はほんとに禁止です」

「……うん」

「トイレも?」

 思わず聞くと、蓮くんが吹き出す。

「そこはさすがに女子同士で行ってもろて」

「よ、よかった……」

「でも廊下の待機くらいはする」

 氷河ノ先輩が真顔で言う。

「えっ」

「当然だろ」

「当然かなぁ!?」

「当然です」

 いおりくんまでうなずく。
 朔も反対しない。
 誰も味方がいない。

「あと」

 氷河ノ先輩の声が少し低くなる。

「玲央のことだが、あいつはわざと情報をちらつかせて揺さぶってくる。何を言われても一人で信じるな」

「……はい」

「誰に似てるとか、自分が特別とか」

 先輩はそこで一瞬だけ言葉を切った。

「そういうのも、全部だ」

「でも、気になります」

 正直に言うと、先輩はまっすぐ私を見た。

「わかってる」

「じゃあ」

「だからこそ、焦るな」

 低くて、でも静かな声。

「知るなら、こっちで順番に暴く」

 その言い方に、少しだけ救われた。
 ひとりで抱えなくていいんだって思えたから。

「……うん」

「いい子」

 蓮くんがさらっと言う。

「えっ」

「素直にうなずけるとこ、可愛ええなって話」

「鳳条先輩!」

 朝から何なんだほんとにもう。

 でも、そんなやり取りの中で少しだけ空気がやわらいだ、そのとき。