最強男子の過保護な溺愛が止まりません!

「だ、だめじゃないです!」

「よかったぁ。僕、天瀬いおりっていいます」

 にこっと笑うその姿は、どう見ても無害で、可愛くて、癒やし系そのものだった。

 ……なのに。

「変なのに好かれてるな、お前」

 いつの間にかすぐ後ろに立っていた氷河ノ先輩が、冷たく言った。

「ひゃあっ!?」

「声でかい」

「い、いつからいたんですか!?」

「さっきから」

 全然気づかなかったんだけど!?

 しかも、蓮くんは楽しそうに笑ってるし、朔は黙ってるし、瑞希先輩は穏やかに微笑んでるし、いおりくんは可愛く首をかしげてるし。

 なんなの、この状況。

 潜入初日だよね?
 私、黒幕を探しに来たんだよね?

 なのにどうして、こんな顔面強すぎる男子たちに囲まれてるの!?

「えっと……み、みなさん、そんな見ないでください……」

 情けなくそう言うと。

「無理」

「それは無茶やわ」

「難しいかもね」

「先輩が可愛いからです」

「……お前が悪い」

「えええええっ!?」

 意味がわからない。
 ほんとうに、意味がわからない。

 けれどこのときの私は、まだ知らなかった。

 氷河ノ仁が、私の正体にもう気づきかけていることも。
 彼が、私の追う黒幕に近い場所にいることも。

 そして。

 この出会いが、私の潜入任務も、恋も、全部ひっくり返す始まりになることも――。