最強男子の過保護な溺愛が止まりません!

数分後。
 玄関先から小さくノックがした。

『俺だ』

 その声を聞いて、私はそっと鍵を開ける。
 ドアを少しだけ開けた瞬間、氷河ノ先輩がすぐ中に入ってきた。

「し、静かにです……!」

「わかってる」

 そう言いながら先輩は素早く玄関の外と中を確認し、ドアの鍵を閉め直した。

「部屋は二階か」

「う、うん」

「案内しろ」

「えぇ……」

「何だ」

「こんな夜中に男の人を部屋に入れるの、だいぶ問題です」

「俺もそう思う」

「思うんだ!?」

「でも、お前を一人にして帰るほうが問題だ」

 真顔で言い切られて、私はまた黙るしかなくなった。

 結局、忍び足で自分の部屋まで案内する。
 部屋に入るなり、先輩は窓とカーテン、ベランダ、机の上のスマホまで順番に確認した。

「これか」

 スマホの画面を見て、先輩の目が鋭くなる。

「はい……」

「番号は保存するな。返信もしない」

「うん」

「スクショは撮ったか」

「まだ」

「撮れ」

「はい」

 先輩の指示が的確すぎる。
 私は言われた通りに画面を保存した。

「……怖かったな」

 ふいに落ちたその声は、さっきまでより少しだけやわらかかった。