最強男子の過保護な溺愛が止まりません!

「ひゃっ」

 慌てて通話を取る。

「も、もしもし」

『今どこだ』

 低い声。
 いつもよりずっと切迫している。

「い、家です」

『一人か』

「う、うん」

『玄関の鍵は』

「閉めてます」

『窓は』

「たぶん……あっ」

 言いかけて、私は固まった。
 自分の部屋のカーテンが少しだけ開いているのに気づいたからだ。

『胡桃?』

「ま、待ってください」

 私は急いで立ち上がって、窓のほうへ近づく。
 カーテンのすき間の向こう。
 暗い庭。
 誰もいない。
 でも、何か視線を感じる気がしてぞくっとした。

「……閉めます」

『窓から離れろ』

「え?」

『いいからすぐ離れろ』

 その声の強さに、私は反射的にベッドのほうへ下がった。

『今から行く』

「えっ」

『十分で着く』

「じゅ、十分!?」

『玄関は絶対開けるな。俺が着いたら連絡する』

「でも先輩」

『胡桃』

 名前を呼ばれて、私は息をのむ。

『大丈夫だから』

 短いその一言に、不思議なくらい少しだけ安心した。

「……はい」

 通話が切れる。
 急に部屋が静かになる。
 でもさっきよりずっと、心臓の音が大きい。

 十分。
 本当に来るの。
 こんな夜中に。

 落ち着かなくて部屋をうろうろしているうちに、スマホがまた震えた。

 今度はメッセージ。

 着いた。開けるな。窓から見えるか

 私は慌ててカーテンの端をほんの少しだけ開けた。