最強男子の過保護な溺愛が止まりません!

「やめとけ。これ以上来たら」

 朔が静かに言う。

「怖いなぁ」

 男は笑ったまま止まる。

「でも、君たちがそんなに必死になる理由もわかる」

 その視線が、私を囲むみんなを順番になぞった。

「なるほど。お姫様を守る騎士が多すぎる」

「誰がお姫様や」

 蓮くんが呆れたように言う。

「少なくとも、あんたに呼ばれる筋合いはない」

「じゃあ何て呼べばいい?」

 男はわざとらしく首をかしげてから、また私を見た。

「胡桃、って呼んでもいい?」

「よくないです!」

 思わず即答してしまった。
 男が一瞬きょとんとして、それから吹き出す。

「はは、いいね。ちゃんと怒るんだ」

「当たり前です」

「うん、ますますいい」

「全然よくない!」

 反射で言い返したら、男の笑みがさらに深くなった。
 しまった。
 なんか気に入られた気がする。

「胡桃」

 氷河ノ先輩が、少しだけ私を振り返る。

「話すな」

「……はい」

 短い言葉なのに、守ろうとしてくれてるのがわかる。
 それだけで少し落ち着く。

「相変わらず独占欲が強いね」

 男が面白そうに目を細めた。

「氷河ノ仁」

 その名前を呼ばれた瞬間、先輩の空気がぴりっと張る。