最強男子の過保護な溺愛が止まりません!

空気が変わった。

 街灯の影。
 校門の外の暗がりに、ひとりの人影が立っている。

 背が高い。
 細身のシルエット。
 制服ではない、黒いロングコート。

「誰」

 私が小さくつぶやいた、そのとき。

 人影がゆっくり顔を上げた。
 月明かりに照らされたのは、見覚えのない男の顔。

 年は私たちより少し上。
 鋭い目元に、冷たい笑み。

「へえ」

 男はまっすぐ私を見た。

「君が、相沢胡桃か」

 その一言だけで、全身の空気が凍る。

「下がれ」

 氷河ノ先輩が私を背中にかばう。
 蓮くん、朔、いおりくんもすっと前に出た。

 なのに男は、まるで楽しそうに目を細める。

「思ったより可愛い」

「……何者だ」

 氷河ノ先輩の問いに、男は小さく笑った。

「挨拶に来ただけだよ」

 そう言って、黒い手袋をした指先で胸元に触れる。

「ローズへようこそ、お姫様」