最強男子の過保護な溺愛が止まりません!

「新入生?」

「その見た目でこの学校来るとか、だいぶ浮いてるで」

「お前、教室わかってんの?」

 うっ。
 見た目でいじられてる。
 でもここで睨み返したら終わりだ。総長モードは封印、封印。

「え、えっと……たぶん、わかります……!」

 ぺこっと頭を下げて、その場をやりすごそうとしたときだった。

「お前ら、朝から何してんの」

 低くて冷たい声が、空気を切り裂いた。

 三人組の顔色が一瞬で変わる。
 道の奥から歩いてきたその人を見て、私は思わず目を見開いた。

 ――きれい。

 最初に浮かんだのは、その一言だった。

 背が高くて、すらりとしていて、近寄りがたいほど整った顔。
 涼しげな目元は冷たく見えるのに、なぜか視線をそらせない。

「あ、氷河ノ先輩……」

「べ、別に何もしてません」

「行こ行こっ」

 三人は逃げるみたいに去っていく。

 残された私は、ぽかんとその人を見上げた。
 この人が、校内一のイケメンってやつかな。たしかに納得かも。

「おい」

「は、はいっ」

「ぼーっとしてるとまた絡まれるぞ」

 ぶっきらぼうにそう言って、彼は私の顔をじっと見た。
 ……え。近い。
 なんでそんなに見るの。

「め、メガネ……変ですか?」

「……いや」

 短く答えたあと、彼は少しだけ眉をひそめた。

「お前、名前は」

「相沢胡桃です」

「胡桃、か」

 初対面なのに、名字じゃなくて名前。
 普通ならドキッとする場面なんだろうけど、そのときの私は別のことで頭がいっぱいだった。

 ――この人、ちょっと怖いかも。