尊い推しに溺愛されてます!? 【続編】

少し先の、人通りの少ない道に入ったところで。
 レンくんはふいに私の腕を引いて、壁際へと寄せた。

「っ……!」

 びっくりして見上げると、すぐ目の前に彼の顔がある。
 近い。息が止まりそうなくらい近い。

「ごめん。ちょっとだけ、独占したい」

「ど、独占って……」

「今日、ずっと足りなかった」

 レンくんの指が、そっと私の頬に触れる。

「みう、俺の彼女なんだよね」
 
「う、うん……」

「ちゃんと実感したい」

 その声があまりにも甘くて、でも少しだけ切なくて。
 私は逃げるどころか、目をそらすことすらできなかった。

「他の誰かに見られてると、すごく嫌になる」

「……嫉妬してるの?」

「してる」

「そんなにはっきり……」

「みうのことになると隠せない」

 レンくんは困ったように笑って、それでも私から目を離さない。

「俺だけのものにしたいって思うくらい、好き」

「……っ」

 胸がいっぱいになって、苦しくなる。
 うれしくて、幸せで、泣きたくなるくらい。

「私も、レンくんが好き」

「うん」

「誰よりも、いちばん好き」

「それ、やばい」

 レンくんの表情が、少しだけくずれる。
 余裕のある彼じゃなくて、ちゃんと恋をしてる男の子の顔だった。