昨日の藤原先生の言葉を、私はまだ引きずっていた。
『明日のホームルームで、ちょっと大事なお知らせがあるから』
あれから一晩、あれこれ考えて、結局、眠りが浅いまま朝を迎えてしまった。
翌日の金曜日。ホームルームで、担任の藤原先生が、一枚の紙を配りはじめた。
「はい。大事なお知らせっていうのは、これね」
金色の縁取りをした案内が、机の上にふわりと落ちてくる。
『サマーガラ 開催のお知らせ』
なんだ、お知らせってそういうことか。詰めていた息が、ゆっくりと抜けていく。
そりゃそうだよね。私の正体がバレていたら、こんな言い方しないよね。
内心で、苦笑いする。昇降口の掲示板にも、同じ案内が貼り出されていた。
サマーガラ開催の日付は、来週の土曜日。特待生は、出席必須とある。
「サマーガラって、何?」
私が呟くと、斜め前の席の北条さんが目を輝かせた。
「毎年恒例の、夏の親睦パーティーだよ! 保護者の方も来賓の方もいらっしゃって、みんな、ドレスアップするの」
「ドレス……アップ」
耳慣れない言葉。
想像すると、胃のあたりがきゅっと縮んだ。



