身代わり特待生、はじめました。~双子の妹のフリして、御曹司に恋してます~


紙袋から出てきたのは、赤と白の糸で編んだ、小さなミサンガだった。

「バスケ部のみんなで、作ったの。ちょっと不揃いだけど」

確かに、糸の太さがばらばらで、ところどころ、ぼこぼこしていた。でも、その一つ一つが、みんなの顔を思い出させた。

「……ありがとう」

「彩葉がいないと部活、全然おもしろくないんだよ。フリースローの練習も、勝負する相手がいなくてさ」

美咲は口をとがらせて、小声で言った。

「早く元気になって、また一緒にボール投げようよ。ね?」

その言葉に、私の目から、ぽろっと涙がこぼれた。

ごめんね、美咲。私は、本当は元気で、ここにいるんだよ。……ううん、ここにいるようで、ここにいなかったんだ。

「わっ、彩葉、泣いてる? 体調、そんなにつらいの?」

「ち、違うの、なんでもない……!」

慌てて、布団で顔を隠す。

そのとき、美咲がベッドの端に、ぽすんと腰を下ろした。

「彩葉、ちょっと詰めて」

「えっ、あっ、待って──」

止める間もなく、美咲は布団の上にどすんと座った。

その瞬間、布団の中で、何かふわっとしたものが、もぞもぞ動いた。

……しまった。ウィッグだ。

「ん? なんか布団、もこもこしてない?」