日が落ちる頃、用具庫の片づけが始まった。
中はひんやりしていて、ライン引きの石灰と、古いマットの匂いがした。
高い窓から、夕焼けの光が、斜めに差しこんでいる。宙に浮いた埃が、金色の粒みたいに光っていた。
その真ん中で、生徒会会計の宮川さんがノートを片手に、備品を数えていた。
「三角コーン、二十。ハチマキの予備、十。バトン……一、二、三、四、五、六」
指差しをしながら、小さな声で確かめている。棚のラベルも、いつの間にか、宮川さんの几帳面な字で、全部貼りかえられていた。
「手伝おうか?」
「結構よ。鍵の当番は、あたしだから」
そっけなく言って、宮川さんは次の箱を棚に載せた。
私は、応援用の重たい木箱を、棚の下の段に押しこんだ。そのとき、箱の角が何かに、こつんと当たった。
……気のせい、かな。暗くて、よく見えない。
「お先に」
宮川さんに手を振って、用具庫を出る。
廊下の窓はもう、すっかり暗かった。



