「そんなに休んだら、わたし、特待生でいられなくなる」
「何それ、どういうこと?」
琴葉は、途切れ途切れに話しはじめた。
「特待生はね、出席日数と成績を、ずっと審査されるの。長く休んだら、資格が止まって……そのままやめるしかなくなる。うちの家計じゃ、特待生じゃなきゃ、この学校には通えないから」
「先生には、相談したの?」
「うん。実は二週間くらい前から、ちょっと体調が悪くて。担任の先生に聞いてみたの。そしたら、『審査は公平性が絶対だから、個別の事情で特例は認められない』って」
私は、息をのんだ。ルールだから仕方ない、なんて、簡単に言ってのけられることじゃない。
「じゃあ、無理して体育祭の練習に出たのは……」
「うん。休んだら、それこそ終わりだと思ったから。まさか、こんな形で本当に倒れるなんて、思ってなかったけど」
琴葉は、自分を笑うように小さく笑った。
それだけでも十分すぎるほど重かったけれど、琴葉の話には続きがあった。



