奉仕活動は、思っていたより地味な作業の連続だった。
水やり。雑草抜き。枯れた葉を摘み取ること。
用務員のおじさんに教わりながら、私は少しずつ、植物の世話に慣れていった。
「椎名さんは、覚えが早いね」
「あ、ありがとうございます」
「向日葵、育ててみるかい。夏に、よく似合う花だよ」
差し出された種は、小さくて、黒くて、なんの変哲もないものに見えた。
「こんな小さいのから、あの大きな花が、咲くんですか」
「不思議だろう。土と水と、日差しがあれば、ちゃんと育つ。焦らなくていい」
その言葉がなぜか、今の私にそのまま重なる気がした。
私は花壇の隅に小さな穴をいくつか掘って、種をそっと埋めた。
◇
ある日。奉仕活動の合間、日和ちゃんと紬さんが、様子を見に来てくれることがあった。
「彩葉さん、日焼けした?」
「したよ、めちゃくちゃ」
「似合ってるじゃない」
紬さんはそう言いながら、花壇の縁に腰を下ろした。
留学の準備で忙しいはずなのに、時間を見つけては、こうして顔を出してくれる。
「あたしと琴葉さん、渡航前の説明会が来週なの。あなたも、来れば? 琴葉さんの家族として」
「行っていいの?」



