身代わり特待生、はじめました。~双子の妹のフリして、御曹司に恋してます~


すべてが終わって正門を出たところで、加賀見くんが待っていた。

夕方の光が、二人の影を長く伸ばしている。

「お疲れ」

「……うん」

「聞いたよ。奉仕活動、一ヶ月」

「うん。温室のお世話だって」

「暑いぞ、夏の温室」

「知ってる」

くすっと、笑いがこぼれた。張りつめていたものが、ほどけていく。

「あの日、屋上庭園で聞いたこと」

加賀見くんが、改まった声で言った。

「答え、まだ出ないか」

私はしばらく迷ってから、口を開いた。

「……私も、加賀見くんのこと、好きだと思う」

加賀見くんの目が、わずかに見開かれた。

「でも、今、ちゃんと返事をしたら、それは、けじめをつける前の、逃げになる気がするの。奉仕活動が終わって、ちゃんと自分の足でここに立てるようになってから、答えたい」

加賀見くんはしばらく黙ってから、うなずいた。

「分かった。待つよ」

「一ヶ月だよ?」

「一ヶ月でも、二年でも」

「……二年?」

「なんでもない」

加賀見くんは、軽く咳払いをして、少しだけ視線をそらした。

「俺さ」

しばらくして、加賀見くんが続けた。