「息子が、事情を知りながら黙っていたことについては、親として私にも責任があります。あとで、改めて話をします」
加賀見くんが、隣で小さく頭を下げた。父に向かって、自分の意志で頭を下げる姿を、私は初めて見た。
校長先生は、書類にしばらく目を通していた。それから頷いた。
「……検討します。そして今日の午後、終業式で、留学の選考結果を発表します。あなたたちの処分については、それとは別に追って判断します」
その言葉には、まだ何の保証もなかった。私は膝の上で、手をそっと握りしめた。
◇
午後。体育館で行われた終業式に、私は特別に参加させてもらっていた。
全校生徒が体育座りで並ぶ中、校長先生が壇上に立った。
「それでは、特別留学プログラム、最終選考の結果を発表します」
会場が、しんと静まりかえる。
体育館の一番後ろで、私は膝の上で両手を強く握りしめた。
嘘をついて通った四十五日間。バレそうになって冷や汗をかいた日も、一人で泣きそうになった夜も、全部今日のためだった。
届いて……お願い、琴葉の努力を認めて……!



