言い終えると、喉の奥がぐっと詰まった。
琴葉の思いを知りながら惹かれてしまった自分。二重に裏切ってしまったような罪悪感で、足がすくむ。
琴葉は何も言わなかった。ほんの一瞬だけ表情を固め、それから視線をゆっくり足元に落とした。
長い、長い沈黙。
夕暮れの風の音だけが、二人の間を吹き抜けていく。
やがて、琴葉の肩が小さく震え始めた。
「……知ってたよ、そんなの」
声が、掠れていた。
「彩葉ちゃんが、加賀見くんの話をするとき、いつも声がちょっと違ったから。双子だもん、それくらい分かるよ」
「琴葉……ごめん……」
「でも、ね」
琴葉は無理に笑おうとして、うまく笑えなかった。目に、みるみる涙がたまっていく。
「本当は、少しだけ嫌だよ。……少しじゃ、ないかも。すごく、羨ましい。好きな人に、好きになってもらえるなんて……っ」
ぽろり、と大粒の涙がこぼれ落ちた。
「ごめんね……こんなこと、言うつもりじゃなかったのに……っ」



