【桜庭日和ちゃん:中学に入ってからの親友。何でも話せる相手だけど、勘が鋭いから気をつけて。】
【宮川紬さん:生徒会の会計。学年で成績上位を争うクラスメイト。入学してから、少し張り合われている気がする。表面上は仲良くしているけど、油断しないでね。】
【加賀見瑛くん:生徒会副会長で、同じクラス。特に接点は多くないけど、真面目でよく気がつく人。】
加賀見瑛、という名前のところで、私は、ふと手を止めた。
『特に接点は多くない』──そう書いてあるのに、その一行だけ、なぜか筆圧がやけに強い。
「……へえ」
思わず、口元がゆるんだ。あの完璧な琴葉にも、気になる男の子くらいいるらしい。
私はノートの隅に、自分用の数字を書き足した。
【選考日まで あと45】
横に小さな星印をつける。一日終えるごとに、この数字を減らしていこう。ゴールが見えていたほうが、私は頑張れるタイプだ。短距離走と同じ。
ノートの最後のページには、琴葉の字でこう書いてあった。



