ラブ・イン・ダーク

夕焼けの街を歩きながら、白雪みうはずっと胸がどきどきしていた。

隣では、桜庭朔夜が当たり前みたいに手をつないでいる。
しかも、少しでも離れそうになるたびに、逃がさないみたいに指を絡めてくるから困る。

「さ、朔夜くん……」

「ん?」

「ほんとに、このまま行くの……?」

「行く」

即答だった。

みうがちらりと後ろを見ると、一ノ瀬悠たち幹部が少し後ろを歩いている。
近すぎず遠すぎず、でも何かあればすぐ動ける距離。
その空気がなんだか頼もしい。

「緊張してる?」

後ろから悠がひょこっと顔を出す。

「う、うん……ちょっと……」

「大丈夫だよ。みんな総長が連れてくる子なら気をつかうし」

「それ、逆に緊張する……」

みうが小さく言うと、玲央が吹き出した。

「たしかに。総長の本命とか言われたら、そりゃ全員変にかしこまるわ」

「ほ、本命……!?」

みうが真っ赤になると、朔夜がぴたりと足を止めた。

そのまま、冷たい目で玲央を見る。

「玲央」

「はいはい、ごめんって。でも事実だろ」

「事実って言うな」

「否定もしないくせに」

玲央が肩をすくめると、悠が楽しそうに笑う。
凪は静かにため息をついただけだった。

そんなやり取りを見ていたみうは、少しだけ肩の力が抜けた。
怖い人たちだと思っていたのに、こうして見ると本当に仲がいい。

しばらくして連れて来られたのは、街外れにある古いビルの上階だった。

階段を上がって扉が開くと、中から一気に視線が集まる。

広い部屋。
ソファやテーブルが並び、壁際にはヘルメットやジャケットが置かれている。
そこにいた何人もの男の子たちが、一斉に立ち上がった。