総長の、夜よりもあぶない溺愛。

蓮はベッドに片手をつき、紗月を囲うように少しだけ近づいた。
でも体重は預けず、逃げ道までふさがない。

ただ近い。
それだけなのに、心臓が壊れそうなくらいうるさい。

「昼、かっこよかった」

もう一度言われて、紗月の頬が熱くなる。

「そんなに何回も言わないで……」

「何で」

「恥ずかしいから」

「じゃあ、慣れろ」

さらっと返されて、紗月はますます赤くなる。

蓮はそんな紗月を見つめたまま、前髪に触れた。

「でも、それ以上に」

「……?」

「今の方がやばい」

「えっ」

「可愛すぎる」

一気に顔が熱くなる。
思わず毛布でもあればかぶりたい気分なのに、今は逃げ場がない。

蓮は少しだけ困ったように笑った。

「そんな顔されたら、理性きつい」

その言い方に、紗月の心臓がまた跳ねる。

でも怖くはなかった。
蓮が無理に進めないと分かっているから。
ちゃんと自分の気持ちを見てくれているから。

蓮の指先が、頬から耳のあたりへやさしく滑る。

「紗月」

名前を呼ばれるだけで、息が苦しい。

「もう少し近く行っていいか」

紗月は小さくうなずいた。

すると蓮は、ほっとしたみたいに少しだけ表情をやわらげる。
それから距離を縮めて、額が触れそうなほど近くに来た。

「……ちゃんと聞くんだね」

紗月が小声で言うと、蓮はすぐに返した。

「当たり前だろ」

短いそのひと言が、ひどくうれしい。

「おまえが嫌がることはしねぇ」

その言葉に、紗月の胸がじんとあたたかくなる。

蓮は視線を外さないまま、そっと紗月の手を取った。

「無理なら、すぐ言え」

「うん」

「黙って我慢もすんな」

「……うん」

確認するたびにやさしさが伝わってきて、どきどきするのに安心もする。