独占愛は夜より深く。

全部が終わって、数日後。

久しぶりに何の警戒もしなくていい夜だった。
静かな部屋。
やわらかい灯り。
それだけなのに、まだ少しだけ不思議に感じる。

私はソファに座って、温かい飲み物を両手で持っていた。
すると、キッチンから戻ってきた要が当然みたいに私の隣に座る。

近い。
恋人になってからの要は、前よりずっと近い。

「要」

「ん」

「近い」

そう言うと、要は平然とした顔で私の肩を抱いた。

「恋人だからな」

何度聞いても、その言葉だけで胸がきゅっとなる。

「まだ慣れない?」

低い声で聞かれて、私は少しだけ視線をそらす。

「……慣れない」

「よかった」

「え」

「慣れすぎたら困る」

そう言って、要は私の髪に顔を埋めるみたいに寄ってくる。
甘い。
近すぎる。
心臓が全然落ち着かない。

「ちょ、要」

「何」

「くすぐったい」

「我慢しろ」

全然我慢させる気のない声だった。