要の腕の中は、思っていたより静かだった。
外ではまだ夜が動いている。
伊織たちは映像を追い、恒一と碧は周囲を警戒している。
なのにこの小さな空間だけ、時間が止まったみたいだった。
私は要の胸にもたれたまま、小さく息を吐く。
「……落ち着くの、悔しい」
かすれた声で言うと、頭の上で要が少しだけ笑った。
「悔しがる必要ない」
「あるよ。要のこと、簡単に許したくないのに」
「許さなくていい」
低い声は、やさしいままだった。
「その代わり、離れるな」
またそういうことを言う。
ずるい。
本当にずるいのに、その言葉を少しうれしいと思ってしまう。
私は少しだけ体を離して、要の顔を見上げた。
薄暗い灯りの中でも、要の目だけはまっすぐ私を捉えている。
外ではまだ夜が動いている。
伊織たちは映像を追い、恒一と碧は周囲を警戒している。
なのにこの小さな空間だけ、時間が止まったみたいだった。
私は要の胸にもたれたまま、小さく息を吐く。
「……落ち着くの、悔しい」
かすれた声で言うと、頭の上で要が少しだけ笑った。
「悔しがる必要ない」
「あるよ。要のこと、簡単に許したくないのに」
「許さなくていい」
低い声は、やさしいままだった。
「その代わり、離れるな」
またそういうことを言う。
ずるい。
本当にずるいのに、その言葉を少しうれしいと思ってしまう。
私は少しだけ体を離して、要の顔を見上げた。
薄暗い灯りの中でも、要の目だけはまっすぐ私を捉えている。



