エタってしまった小説の世界で、ヤンデレ化した勇者が離してくれません。~聖女と呼ばれ執愛されていますが……読者です!~

「……バルトレッドさん」

「バルトと呼んでください」

食い気味で訂正して来るバルトに対し、じとっとした視線を向けるが、結局緩やかに首を傾げられるのみだった。

「ならバルトさん……」

「はい、聖女様」

「……バルトさんの気が済むまで、その最後(結末)まであなたが辿り着けるよう善処します。でも私じゃ無理だと理解いただけたら、その時はちゃんと元に世界に戻すって約束してください」

確認するように告げるとバルトは僅かに双眸を瞠った。それからパッと顔を輝かせたのち瞳を溶かして頷いた。

「えぇ、約束しましょう。俺の命に変えても約束は違えません。ありがとうございます、聖女様」

あまりに嬉しそうにするので心が咎めると共に、早く勘違いに気付いてくれればいいと心の中で願った。