もう、幼馴染じゃいられない。

イケメン男子の神崎(かんざき)理世(りせ)と、私、平凡女子の芦原(あしはら)雛乃(ひなの)は幼馴染である。


小学校の頃から今現在中2まで、ずっと同じクラス。


いわゆる腐れ縁ってやつだ。


でも、何もかも平凡な私とは違い、理世は容姿端麗、頭脳明晰、運動神経もよし。先生からの信頼も厚く、いわゆるモテ男子ってやつだった。


私は、面倒事に巻き込まれるのが大嫌い。


だから、こんなモテ男子と一緒に居たら、理世を好きな子、ファンの子、その他諸々に恨まれるかも……と、良くないことを想像してしまった。


なんせ、私と理世は家が隣。


学校もなんでか一緒に向かっている。


通学路の女子たちの視線が毎日気になるってのは、絶対に内緒。


――ピーンポーン…


鳴ってしまった…地獄の合図が…


「りっくんだわぁ!りっくん!りっく〜ん♡」


この時、お母さんはキモくなる。


いつも大人しくて静かなお母さんが、『ぶりっ子』へと変化するのだ。


あー、キッモ。


何よ、『りっく〜ん♡』って。


いい歳したおばさんが猫なで声出さないでよ。


「おはようございます、彩希さん」


母の名前は芦原(あしはら)彩希(さき)


セミロングの、カールのかかった茶髪に、細身で色白の肌。


私と同じ、薄い桃色の瞳。


容姿だけは異常なほどに整っている。