キミの声を聞かせて

それだけ言って、声は消えた


僕はしばらく動けなかった


誰だったんだろう


どうして僕にしか聞こえないんだろう


そんなことを考えながら、教室を出ようとしたときだった


黒板の隅に、小さな文字が書かれていることに気づいた


チョークで、たった一言


『ありがとう』


「……なんだよ、これ」


消そうと手を伸ばした


けれど


なぜか、その文字を消すことができなかった