保健室の目覚まし係になったら、学校一の沼男に捕まりました


「あたしたちね、中学の頃から海里のこと応援してきたの。彼がモデルデビューしたばっかりの頃から、ずっと」

腕を組みながら、低い声で言う鈴木先輩。

「あんたみたいな一年生には分からないだろうけど。こっちは何年も、あの人のこと見てきたんだから」

その声には、からかいとは違う、本気の重みがあった。

長年抱いてきた想いを、こんなふうに踏みにじられたくないという気持ちが、痛いほど伝わってくる。

「そんな大して、可愛くもないのにさぁ。どうしてあんたなの!? ほんと、ありえないんだけど」

田村先輩が、私の顔の真横にドン! と手をついた。

まっ、まさか、女の人に壁ドンされる日が来るなんて。全然キュンとしないんですが。

それどころか、恐怖しかない。

すぐ目の前には能面のように怖い田村先輩の顔があって、私は震え上がってしまう。

「一体、この子のどこが良いんだか」

「ほんと。それなのに、あの海里くんが相手にするなんて。もしかして、保健室でいかがわしいことでもしてるんじゃないの?」

「……っ」

かっと、頬が熱くなる。

怖いのと同時に、悔しさと恥ずかしさがない交ぜになって、喉の奥からせり上がってくる。

そんな言い方、しないでほしい。

何か言い返したいのに、うまく声が出なくて。身体がプルプルと震える。