私が声を発した瞬間、鋭く睨みつけてくる先輩たち。
ひぃっ。
先輩の顔を見るのが怖くて、私は思わず俯いてしまう。
「平沢さん。あなた、海里に気に入られているのか知らないけど……あまり調子に乗らないでくれる?」
え、調子に乗る? 私が?!
弾かれたように、私は顔を上げる。
「最近、あなたが毎日昼休みになると保健室で寝ている海里を起こしに行ってるらしいじゃない」
さすが、須藤先輩の熱心なファン。そういうことは、よく知ってるんだなぁ。
思わず感心していると、田村先輩がいつの間にかこちらへと距離を詰めてきていた。
「この前、あたしとレイナが保健室へ寝ている海里を起こしに行ったら。『悪いけど、もう来ないでくれる? 俺のことを起こしてくれる子は、咲奈ちゃんだけで十分』って言われたんだけど」
うそ。須藤先輩が、そんなことを言ってくれたの?
嬉しいけど、今はとても喜べない。
「……あっ」
少しずつ後ろへと下がっていくうちに、私の背中が壁についてしまう。
どうしよう、行き止まりだ。



