「そうですか?」
「うん。すっげー綺麗だ」
長くて温かい彼の指先が、私の髪を手櫛ですくい上げる。
そのたびに、首筋のあたりをかすめる吐息の温度に、ぞくぞくするような熱が背中を這った。
早く終わってほしいような、もう少しこのままでいたいような。矛盾した気持ちで、私はただじっと立ち尽くしていた。
「はい、できた」
先輩が、ひとつに結んだゴムの上からシュシュをつけてくれた。
「やっぱり思った通り、すごく似合ってる」
正面に回り込んで、満足そうに目を細める須藤先輩。
「先輩。私これ、大切にします」
「できればそれ、毎日学校につけてきて欲しいなぁ」
「わかりました。明日から、学校につけていきますね」
「ほんと? 楽しみにしてる」
先輩が、自分のためにプレゼントしてくれたんだ。
明日からこれ、学校につけてこよう。
そう心に決めながら、私は先輩に微笑んだ。



