保健室の目覚まし係になったら、学校一の沼男に捕まりました


開封してみると、淡いピンク色のシュシュが出てきた。

見覚えのある柄。土曜日に行ったショッピングモールで、雑貨屋の棚に並んでいたものだ。

「これをショップで見かけたとき、真っ先に咲奈ちゃんの顔が思い浮かんでさ。キミに、似合うだろうなと思って買ったんだ」

──前に言ってた「渡したいもの」って、これのことだったんだ。

じわじわと、そのことに気づく。

あのとき見かけた「誰か」へのプレゼントは、私だったんだ。

彼女がいるのかもしれないと、勝手に想像してもやもやしていた自分が、急に恥ずかしくなる。

「えっ、あの……もらっちゃって良いんですか?」

「もちろん。いつも俺のこと、起こしに来てくれているお礼だよ」

「……ありがとう、ございます」

じわりと、頬が熱くなる。

先輩が、わざわざ私のために……。

素直に「可愛い」の言葉を受け取れなかった、少し前の自分を思い出す。

でも今は、そんな迷いより先に、ただ嬉しいという気持ちのほうが、ずっと大きかった。

「ねぇ、俺がそれつけてあげるよ」

断る間もなく、先輩が私の背後に回り込んだ。

一歩踏み込まれ、背中に先輩の体温を感じるほどの至近距離。

「うわ。咲奈ちゃんの髪、サラサラだね」

耳元で落ちてくる低い声に、肩がビクッと跳ねる。