「人の真面目な気持ちをおもちゃにするなんて、最低です。もう二度と、先輩のお願いなんて聞きませんから!」
握りしめた拳が微かに震えるのを隠すように、私は鞄の持ち手をぎゅっと握りしめた。
「えっ、ちょっと、待って」
いつもの余裕たっぷりの笑みが、須藤先輩の顔から一瞬で消える。
「ごめん、ちょっとからかいすぎた。まさか咲奈ちゃんが、本気で怒るとは思わなくて」
珍しく焦った様子で、先輩が言葉を継ぐ。
「俺は、キミを困らせたかったわけじゃ……」
「もう、いいです」
私は先輩の言葉を遮って、立ち上がった。
「先輩にとっては、ちょっとしたからかいのつもりだったんでしょうけど。私は、本気で心配したり、余計なお世話を焼いたりしてたので。それを『試してた』の一言で片付けられるの、正直すごく傷つきました」
「咲奈ちゃん、俺は……」



