体育祭から、一ヶ月が過ぎた。
朝晩はすっかり冷え込むようになり、教室の窓から見える木々も、少しずつ色づき始めている。
相変わらず、昼休みになると私は保健室へ向かう。
「先輩、起きてください」の一言も、「彼女として」の一言をもらった今も、変わらず続いている、私たちの日課だ。
そんな中、学校中がにわかに浮き足立つ行事がやってきた。
十一月、文化祭だ。
「咲奈。うちのクラス、喫茶店やることになったよ! メイド服を着るホール係、私たち頼まれたんだけど」
朝のホームルーム後、梨沙子が興奮気味に報告してくる。
「え、私たちが?」
「うん。まぁ、恥ずかしいけど。ほら、こういうのって一生に一回だし、やってみようよ」
押し切られる形で、私も接客係に決まってしまった。



