保健室の目覚まし係になったら、学校一の沼男に捕まりました


体育祭から、一週間が過ぎた。

季節はすっかり秋めいて、朝晩は肌寒さを感じるようになってきた。

「咲奈ちゃん、起きて。もうすぐ昼休み終わるよ」

「……んん」

保健室のベッドで、私はうとうとと微睡んでいた。

あの日以来、私は相変わらず昼休みになると保健室へ通っているのだけど。

最近は、海里先輩を起こす係というより、二人でこうして並んでお昼寝をする時間のほうが、なんだか長くなっている気がする。

「もう、咲奈のほうが寝てどうすんの」

くすくすと笑う先輩の声に、私はゆっくりと目を開ける。

「……海里先輩のせいです。隣にいると、安心して眠くなっちゃうんですもん」

「それ、俺のせいにするのずるくない?」

そう言いながらも、先輩は嬉しそうに私の頭を撫でてくれる。

もう当たり前のように名前で呼び合うようになったことも、こうして肩を寄せ合って過ごす時間も。

両想いになってから、私たちの間には、以前とは違う、穏やかな温かさが流れていた。

「そういえば、田村先輩たちとは、あれから大丈夫なんですか?」

ベッドの縁に並んで座りながら、私はふと気になっていたことを尋ねた。