保健室の目覚まし係になったら、学校一の沼男に捕まりました


少し行ったところにあるハードルを何とか飛び越え、大きな網をくぐり抜けた私が、次の障害物へと向かって走り出したとき。

「……きゃっ!」

私は、他の生徒と接触して転んでしまった。

やばい、早く起きて行かなきゃ……!

必死の思いで、なんとか最後まで走り切った私は……。

「痛っ」

ゴールしたあと、先程の転倒で膝を擦りむいて血が出ていることに気づいた。

競技中は無我夢中で、気がつかなかったけど……これは、けっこう痛いかも。

私が、出血している右膝を手でおさえてその場にうずくまっていると。

「……咲奈ちゃん!!」

えっ?

「咲奈ちゃん、大丈夫!?」

血相を変えて、私の元へと駆け寄ってきたのは……なんと須藤先輩だった。

どっ、どうして先輩が!?

予想外の人物の登場に、私は目を丸くする。

「咲奈ちゃん、保健室行くよ!」

「え? ……きゃっ!」

突然身体がふわりと浮いたかと思うと、私は先輩に抱き上げられていた。

うそっ。これってもしかして、お姫様抱っこ!?